『迷宮街クロニクル3 夜明け前に闇深く』読了です。
今回も死者が出ますが、そこのネタバレはなしで書きますよ。
相変わらず地味~な話ですw
この淡々とした感じがウィズっぽいというかなんというか。嵐の前の静けさというか。
ウィズは何も起きなければほんとに地味なゲームなんだけどひとたび何か起きれば、つまり先制攻撃やトラップなんかでパーティに致命的な損害が出たとき、アドレナリンが噴出して顔面レッドリングになるような、そういう緊迫感が味わえるゲーム性なんですよね。
「やばい、魔法使いが戦闘不能、どうするこの虫の大群、前衛だけで戦ったら2ターンもたねえぞ」みたいな状態とか。
「プリーストブラスターで僧侶石化キタ! 地上まで戻れねえ」とか。一寸先は闇。
だから和やかな日常がいくら描かれていても、迷宮街の死の匂いは通奏低音のように止まらない。
ベニー松山が描くヒロイックなウィズもシビれるんだけど、こっちも正真正銘ウィズです。
RPGをとことんまで楽しむコツは想像力なんだと再確認。
迷宮街に関わる人々の思いや行動が形作る世界。それがこの作品の全てだと思います。
登場人物たちの思考は徹底して理路整然と語られます。それこそ仲間の死に対する感情から恋人を振る理屈まで(しかも女性側だ!)。
現実には自分の思考を整理できる人というのは少数派だと思いますが、この作品では全て淀みなく描かれています。
そうすることで、人と人が関わったときの思考のベクトルの変化や、抗えない不幸に遭遇したときの狂気が際立つ。
日常を描くだけでどこか緊張感がただよう群像劇だからこその味だと思います。こういう作品は純粋なファンタジーも含めて他にはちょっと無いですね。あったら教えてください。
何人か新キャラがいます。
津差さんの餅つきパートナーがかなり重要な役割になってました。純情派の時はにもあったエピソードを膨らませた感じですが見事にこの巻の物語を転がす中核を担ってました。しかも前はあんなにキャラ立ってなかったよ。とてもいいw
真壁が越谷の部隊に出稽古させてもらって地下4階へアタック。
ここで犠牲者がでます。
真壁は主人公フラグ立ってるし死なないだろ、という予定調和はこの作品に限っては通用しませんからね。
なにしろランダムで死者決めてるんですから。ほら、ガンダムも小説版では途中でアムロ死ぬしw
なにより犠牲者が出たとの連絡があったときの笠置町翠が切なすぎる。ここは何度読んでも胸につまるシーンです。
3の上巻という扱いなので、終わり方はちょっと消化不良気味です。
ただ探索者全体を巻き込んだ、おおきな戦いの予感を感じさせるつくりになっていて、次巻の期待が膨らみます。
そして忘れちゃいけない。これって恋愛小説ですからねw
真壁の恋人、由加里が決意をもって京都へ向かいました。
破局は、さけられまい。
そして、遠洲の謎の行方は!?
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